嵐が過ぎたら、秋がくる。

昨夜は神宮外苑花火をみて、新さんまや秋茄子、桃を食べた。なんだか夏と秋の交替の儀式みたいだと思った。

季節が夏から秋へ移る9月は、ちょっと特別な月だ。誕生日を迎えるから、そしてなんとなく毎年心の断捨離をしているような気がするから。
暑さと高気圧で思考能力がにぶって、テンションにまかせてあれやこれやと楽しもうとする夏。夜がやたら楽しい夏。「夏は夜」と書き記した清少納言と私はきっと気が合う。夏の終りにはなんとなく人生がゆるんで、ふくれてる。
誕生日を迎えて少しずつ風が涼しくなってくると、そんなふくれた日常を静かに見つめるようになる。「これは夏と一緒にさよなら」「これには出会えてよかった。ずっとよろしくね」1つ歳をとった自分にとっても大切か、ほんとに好きか、意識的にも無意識的にもひとつひとつやんわりと確かめていく。

そうしないと、詰め込みすぎたクローゼットや押し入れみたいに、風が通らなくなって大事なものがカビちゃうから。



今年の仲秋の名月は、誕生日の3日後らしい。木曜日。平日か。
静かにお月見でもしよう。さっき清少納言と気が合いそうだと書いたけど、ほんとうは私は「をかし」より「あはれ」が心にしみ入る。

その頃も、いま大好きと思っている対象を、大好きと思ってるのかな。
月がきれいだね、って32歳なりたての自分に言ってあげられるかなぁ。


いまは嵐の前触れなのか、私の心も落ち着かないよ。