参院特別委員会で安保法案が可決された。

60年安保闘争の勢いを私は知らないが、
今回は一般市民のデモに専門家も加わってかわるがわる拡声器でスピーチをするという異様な光景であった。
日本の歴史に大きな一頁が刻まれる。

安保法案自体の是非を論じるのは私なんかより知識の深い方々におまかせするとして、
デモの異様なまでの熱狂状態を画面越しに見ていて思った。

この中の何人が、前回の衆議院議員選挙に行ったんだろうかと。

昨年末の選挙で、自民党を絶対安定多数を超える議席で大勝させたのは、紛れもなく日本国民である。そして与党で3分の2以上の議席を獲得させたのも、日本国民である。

投票した人ばかりの責任ではない。
投票率は戦後最低の52.66%だった。
半分近くの国民が選挙にいっていない。

彼らがきちんと選挙権を行使していたら、違う結果もあり得たのではないだろうか。

「たられば」を語っても仕方ないが、そう思わずにはいられない。
それくらい、テレビ画面に映し出されるデモの熱狂ぶりと、52.66%という冷えきった数字からうける印象とが乖離しすぎているのだ。


デモに行くことが悪いとは思わない。無意味だとも思わない。
政治に無関心だった若者が関心を持ったのだとしたら、国にとっても良いことだ。
だがデモで政治を変えることは、難しい。


日本は間接民主制をとっている。
民意を表明する場はデモではない、選挙だ。


今回の熱狂がお祭り騒ぎやはたまたただの鬱憤ばらしではなく、真に政治的な関心・参加意欲に基づいたものであるのかがはかられるのが、次回の選挙だろう。

そこでまた前回のような投票率を記録するようであれば、日本人に民主主義は無理だといわれても
反論の余地はない。