アラサーライター吉原由梨の 「ようやく大人 まだまだ女」

フリーライター/コラムニスト、吉原由梨のブログです。 Webサイトを中心に執筆しています。 都内の大学法学部卒業後、 ITメーカーOL→ 研究機関秘書職→ 専業主婦→ フリーライター兼主婦 日々感じること、ふとしたことからの気づきを綴っています。恋愛と結婚を含む男女のパートナーシップ、人間関係、心身の健康、家庭と仕事、グルメや読書の話など。美味しいもの、マッサージ、ふなっしー大好き。 Twitter:@yuriyoshihara こちらもお気軽に。

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デート

結婚を決めるまでシリーズ、今回はインターバル短めで、続きにいきます!

前回はこちら↓
付き合って3週間で結婚を決めるまで~その④~

ーーーーーー
丸ビルをあとにして和田倉噴水公園へ。

この間、ずっと考えていたことがありました。

夫氏と話していると、楽しいし、テンポも話題も価値観も合うし、彼も楽しんでいるのが伝わってきます。
でもいまひとつ、がっと距離をつめてくる感じがないのです。
試しにこちらから五センチくらいつめてみると、五センチ離れていくような。笑
なんだろう、このつかみどころのない感じは…。とちょっと混乱していました。


公園をひとしきりうろうろして、高台から景色を眺め、ベンチに座っても、きっちり15㎝離れて座る夫氏。

うーん、人間としては好かれていても、やっぱり女としては全く見られてないのかな。泣

でも今日が終わったら次いつ会えるかわからないし、
なんといっても香川だし、

そしてこんないい人がいつまでもフリーとは思えないし!
そこらじゅうの女子が狙うよ!

(繰り返しになりますが、夫は特別イケメンだとかモテるとかそういうわけじゃありません。ただ、恋する女子はそう思ってしまうのです。怖いですね。)

よしここは、危険すぎる両刃の剣的武器を使うしかない!!



そう思った私は、バッグのなかに忍ばせていた小さな包みを取り出しました。

「これね、2週間早いけど、チョコ。よかったら食べて。」

そう、その日は1月末。バレンタインまであと2週間もあります。
なのにチョコ!お世話になってるわけでもないのにチョコ!


お、重い。。


「えっ、まじで!?
 ありがとう! 開けていい? 」
と、驚きつつも包みを開ける夫氏。


「ん?これ、もしかして手作り?

「うん、、美味しくなかったらごめん!」
と照れ笑いする私。



…いや、照れてる場合じゃない。重すぎる!!!
地球より重い!!!



どこの女が、同僚でも彼氏でもない男性に、バレンタイン2週間前からチョコを手作りする!?
キモいよ私…。

でもこれは賭けだったんです。
失敗したら完全自滅の両刃の剣ですが、飛び道具を使わないと全く進まない気がして。



救われたのは、「食べていい?」と、夫氏がその場で半分食べてくれたこと。
そして「うまい…!」と心底美味しそうに言ってくれたこと。

もう危険兵器を使ってしまったので半ば「なるようになれ」という心境になり、すっきりした私(笑)

そのあとまた丸ビルに戻って、新幹線の時間までお茶をしながら、またひたすら喋ってました。


楽しい時間はあっという間。
新幹線で、夫氏はまた香川へ舞い戻ります。
私は都内の自宅へ。
帰り道、唯一夫氏への気持ちを打ち明けていた女友達にメールしました。

「Yちゃん、ヤバイ。私完全に、落ちた。」

何事かと返信をくれた友人ですが、ことの顛末を説明すると、
「まぁ彼女と別れたのを報告されて、そのうえで誘われたわけだから割りといいんじゃない?
しかし、チョコは思いきったねw」

ですよね…。

ずーん…。

しかもタチの悪いことに、その半日のデートで、私はさらに夫氏に惚れ込んでしまっていました。やっぱりいいなぁ、と…。
次はいつ会えるんだろう、これからどういう関係になるかなぁ、と何時間もぐるぐる考えていたら、

メール!!

「いま帰りつきました!新幹線の中でチョコ全部食べたけど、ほんと美味しかったよ。これでまた明日から頑張れる。ありがとう!吉原さんも仕事大変なこと多いだろうけど、讃岐の空の下から応援してるよ~!今日は楽しかった!」


…わからん(・∀・)

読めない人だ。



で、翌日から日常再開。
もうメールは来なくなるかもな、と覚悟していたら、
いつも通りくる!
このころにはお互い一日一通ずつが日課になっていました。
よかった、ドン引きされてない…。と、心底ほっとしたものの

特に増えもしないし内容もいままでどおり(笑)

距離は縮まらなかったのか!?
と、チョコの破壊力の意外な小ささに面食らった26歳の私でした。


そこからも何の変化ない日々が続き、じーりじーりと焦らされます。
でも、メールは途切れません。
今日は職場でこんなことがあったとか、お昼は何を食べたかとか、テレビや音楽の話、友達の話…。ほんとに他愛もない内容なんですが、もはや私の生活の一部になっていました。
毎日のエネルギー源。

なので、踏み込みたい気はするけど、下手に踏み込んでいまの関係を壊すのも怖い。
それなら今のままでも… 


そんなふうにモヤモヤする毎日を一月半過ごしたら、
あの日がやってきました。


3.11東日本大震災です。


この日を境に、私たちの関係も不思議な経緯を辿ることになるのですが…
それはまた、べつの日に。












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結婚を決めるまでシリーズ、しばらく間があいてしまったので、
そろそろ続きをば。

前回までの記事はこちら
付き合って3週間で結婚を決めるまで  ② 
香川へ旅立ってしまった夫氏(付き合いたての彼女
持ち)

一瞬で恋に落ち同時に失恋した私は、東京で割りきって日々の仕事と、新たな出会い探しに励みました。

その間、出会った男性は数知れず。
不思議な男性にもたくさん会いました。
「こんなひといるの!?いや、もう私の常識でははかれないんだけど…」と思うような人にも。

そのなかで比較的ちゃんとコミュニケーション成り立ったなぁと思うお相手が、渋谷の某企業にお勤めの方。以前ブログに登場しました。結局なんの実りもありませんでしたが。

ほかに印象に残っているのは、食事に誘われて気軽にいってみたら、
自分の半生をドラマチックに語りながら、板張りのカウンター席でギラギラした目でじりじりじりじりと寄ってきて(恐怖)、彼がトイレにいってる間に座布団を30㎝離した人。
「結婚とか考えてるの?」ときかれて
「うん、そりゃね。いい人が見つかれば。」
そう答えたのが予想外だったようで、
「そ、そ、そうだよね。そういうふうにゆったり構えてる人のほうがいい人と結婚できるよね、うん。」
と気の抜けたフォローの台詞が。

よほど結婚焦ってると踏まれていたようで。
でも当時まだ25でしたから、そんな「誰でもいいから今すぐ結婚したいの!」とはなりません。というか、何歳であってもそんな気持ちで結婚してうまく行くわけない。

世の中いろんな男性がいるよな、つくづく。
と身に染みて感じた期間でした。


そうこうしているうちに、年末になったので実家に帰省しました。
帰省したところでクラス忘年会以外は特にすることもなく、ごろごろ読書などしていたら、ふと思い出したのです。

Iくん、げんきかなぁ…

クリスマスはきっと彼女と過ごしたんだろうなぁ。
でももう年末。実家で暇してるよね、きっと。
遠距離の彼女と年末ずっと一緒ってことはないだろうから、
メールくらい、メールくらいしてもいいよね!?


そう思った私は
「久しぶり!元気~?実家に帰省してるんだけど、意外と暇だよ(笑)」というような軽いメールをドキドキしながら送ってみました。

数十分後、携帯が鳴った!

「お久しぶりです!メールありがとうございます。実家で暇してますよー。




ちなみに、遠距離は続きませんでした。 」


(・∀・)ん?

私いま、空目した?
ゴシゴシ

でも何回読んでも
「遠距離は続きませんでした。」
と書いてある。

つまり、彼女と別れたのね?
あなたいまフリーなのね!?


いやでもフラれて落ち込んでるのかもしれないし、ここは慎重に…
「え、そうなの?残念だったね…」
と返してみたところ、
「いや、もう仕方ないです!縁がなかったんですね~」
とカラッとした返信が。

そんなに落ち込んでもないみたい。

フリーになったということは、誰にも遠慮することなく連絡とれるじゃないか!
メールしていいんだ!

ということで、なんとなくそこからメールのやり取りが始まったのです。
コンスタントに、一日2通ずつくらい。
そのうちに年を越して、お正月にこんなメールが。

「そういえば、今月○日に、友達の結婚式で東京いくんです。翌日、よければご飯でもどうですか?」


ひゃっはーーーーーーっ!!!

嫌われてない、嫌われてない!これは少なくとも人間としては嫌われてないぞ!


というのも、夫氏はわりとそつなく礼儀正しいタイプで、ましてや私はサークルの元先輩。
後先考えると邪険に出来なくてメール返してくれてるのかな、なんてちょっと不安だったんです。

でもわざわざ誘ってくれた。少なくとも嫌々メールしてるんじゃないんだ!
と、ニヤニヤ小躍りしました。


もちろんOKです。というか万障繰りあわせます。
とは返せず、
もっとさりげなさを装ってOKしましたが、浮かれきっていました。


お正月休みも終わって、東京で仕事の日々が再開します。
その間も、すでに決まっていた合コンに励みました(笑) そこで元同僚の女友達から得た貴重かつ超重要な学びがあったのですが、それはまた別の機会に書きますね。
 
そんな日々ですが、頭のなかでは、夫氏とのランチにいったい何を着ていけばいいのやらとそればかり考えています。

なんせ、彼の好みのタイプが全くわからない。

昔、あややこと松浦亜弥さんの歌で
 迷うわ♪セクシーなの、キュートなの、どっちが好きなの~?♪
ってフレーズありましたがまさにそれ!
何もわからない…

大学時代の彼女はどちらかというと可愛い系でしたが、それが好みとも限らないし。
唯一きいた好きな芸能人はテイラー・スウィフトだし。参考にならん、人種からして違う…。

迷ったところで、セクシーにもキュートにもなれるのかと訊かれると、
いや正直なれませんが、
でも、ね。
服とかメイクとか、ちょっとでも好みに近づけたいじゃないですか。
女心です。


そして当日。
迷ったあげく、どちらともつかない中庸な装いで、待ち合わせ場所の丸ビルへ。
バッグのなかには、使うかわからない危険きわまりない武器を忍ばせて。


待ち合わせ場所へ到着すると、夫氏すでに来ています。
「ごめんね!まった??」
「いえいえ、ちょっと早めについちゃったんです。全然大丈夫ですよ☆」

…あぁ、久しぶりにあったけどなんて澄んだ目なんだ…!!
(夫の目は別にいたって普通の目ですが、恋してる女子の目にはこう見えました、はい。)

上の方のフロアにある景色のいいイタリアンに入ることにして、
それぞれのお料理をシェアしながら、ひたすらお喋り。

前の彼女と別れた話も、さらっとだけど聞けました。
遠距離だったことも多少は影響したけれど、それよりもお互いが恋人に求めるものや、付き合うスタンスなんかが一致しなかったそう。なるほど…。
「自分が必要とされてる感じがしなかったんだよね」
←この辺りから段々敬語もとれてくる

ふむ、必要とされてる感を良しとする人なのね!いいねいいね!
私の容量小さい恋愛ハードディスクに、情報ひとつ記憶。

そのあとも、小林麻央・摩耶姉妹の話になったとき、
「姉と妹どっちが好き?」と聞いてみたところ、

「うーん、妹ですかね。なんかこう、夫を立ててる。姉の方は、あのテンション高いキャピキャピ感に俺はついていけなさそう」

いいねいいね!私キャピキャピしてないよ!
ぎゅいーんと、恋愛ハードディスクにまた記憶。


とまあそんな下らない話をしつつも、
お互い故郷が遠いので、東京で独り暮らしだといつまでも「仮住まい」のようで落ち着かない。はやく結婚して根を下ろしたい。
というような真面目な話、
もっと突っ込んだ人生観の話なんかも出来て、

あぁやっぱり価値観が合うなぁ…としみじみしたところでランチ終了。

お天気がよかったので、和田倉噴水公園に散歩にでも行こうということで、お店を後にしました。

武器はまだバッグのなかであるか分からない出番をうかがっています。


長くなってきたので、続きはまた後日!
  







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少し更新の間があいてしまいました。気候のせいか、少し低調気味の吉原です。
 
たくさん読んでいただいている 
「付き合って3週間で結婚を決めるまで」シリーズ、その①その②の続きを書いていませんでしたので、そろそろ続きをば!

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そんなこんなで会う約束は取り付けた私。 

当日、待ち合わせ場所でまっていると、でっかいトランクを転がしながら現れた夫氏。
そう、香川に帰る当日ですからね。

夫氏「お待たせしてすみません~!お昼たべました?」
私「うん、I君は?」
夫氏「あ、俺も済ませました。じゃあ、カフェかどっか入りましょうか。」

となったものの、そこはおしゃれなカフェがあるような街並みではなく、基本的にオフィス街と学生街…

まぁ「デートじゃない」という大前提で来てますし、そんなしゃれたとこじゃなくていいよな、と
近くにあったエクセルシ〇ールカフェに入りました。

ソファ席で向かい合ってお茶を飲みながら
大学時代の思い出話や、
夫氏の前の彼女との別れ際の修羅場(ほんとうにヤバかった…)、
それぞれの就活についての話、
今後の人生の話なんかをとりとめもなくしていたのですが、


もう30分も話すころには

「大学時代の私、どこに目を付けて毎日過ごしてたんだ」

と後悔と自責の念でいっぱいに。

結果的に自分の配偶者となった人物のことをこんな風に言うのも手前味噌というかお恥ずかしいのですが、
探していた人そのものだったんです!


特に恋愛の終り際の顛末(そしてそれをどう語るか)や、就職試験の面接の話なんかは、人柄や価値観、思考回路がはっきりと表れます。
その日話している限りでは夫氏のそれは私の求めている人柄そのものでしたし、
そのうえ話のリズムやテンポ、波長もしっくりきました
何気に描く家庭像まで一致しています。

「いわゆるビビビとはこのことか!」と理解した瞬間でした。

……あぁ、大学時代のつまらない恋愛の思い出全部返上するから、彼が入学する瞬間からやりなおしたい。


と、ドラマ『プロポーズ大作戦』での山Pのようなことを思いましたが、何分待っても三上博史さんは現れません。



そして忘れてはいけない事実、

夫氏には彼女がいるということ


上に紫の文字で書き連ねた数々の後悔と動揺、そして三上博史さんを待つ気持ちを抑えながら必死に平静を装って、

私「で、いま彼女がいるんだよね?○○ちゃんからきいたよ~。どんな人なの?」

夫氏「あ、そうなんですよ。ついこの間付き合い始めたんですけど、明るくて、何ていうかいろいろ自分でストレスも処理できる子です。
 前の彼女に振り回され過ぎて心底疲れたんで、楽ですね~!」


…そっか。いろいろ自分でストレスを処理できる子か…
私とは違うタイプだな。
ちーん

と絶望を濃くしながらも鉄壁のアルカイックスマイルのまま
「それは大事なことだよね。おめでとう。」と言葉を振り絞った私。


夫氏「でも、遠距離なんですよね。香川と○○(某地方)で、まぁめちゃくちゃ遠いってわけじゃないですけど、どうなるか分かんないです。中間地点で会う感じですかね。」

私「あ、遠距離なんだ。大変だね…。でも彼女がそういうタイプなら大丈夫なんじゃない?頑張って!」


一瞬で恋におち同時に失恋し、さらに相手の恋愛の応援までしてしまうという貴重な経験をしました。



そうこうしているうちに夫氏の新幹線の時間が迫ってきたのでお互いの連絡先を交換してお開きに。
夫氏「香川、来てくれたら案内しますよ~」
私「ほんと?ありがとう!一年後東京戻ってきたら、また○○ちゃんとかとみんなで飲んだりしようね」
お互いどこまで本気でどこまで社交辞令なのか分からない会話をしながら、
香川へと旅立つ彼を見送りました。


見送り後、一人東京に残った私は何とも表現しがたい気分に。

探して探して全然いないと思っていた人に、実は八年前に会っていた。感じの良い人だなとは思っていたけど、恋愛云々にはならなかった。そしてようやく気付いたときには二週間差で時すでに遅し。
神様、私のことがお嫌いですか?とずぶずぶ落ち込みそうになりましたが

「まぁでもこればっかりは仕方ないよな。お友達にはなれたし、私は私で東京でがんばるかっ。」
と気をとり直して


その夜の合コンに向けて気持ちを切り替えたわけであります。←



それでは今日はこの辺で

台風が近づいていますから、皆様身の安全と体調にお気を付け下さい!





 
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1994年発行の伝説のグルメ本、というかデート本に『東京いい店ヤレる店』という1冊がある。
あまりにストレートなゲスいタイトルだが、デートを成功させたい男性たちのニーズを見事にくんで大ヒットしたそうだ。

そして3年前、『新東京いい店ヤレる店』が18年の時を経て新しく発売され売り上げ良好だったそうだが、話題になりすぎて女性が先に立ち読みしてしまうため、それを参考に男性がデートを組んでもタネ明かし済みのマジシャンのようなもの…。
販売側もそれを見越して「この本はエロ本です」ととんでもないコピーを帯にデカデカと書いてその立ち読み抑止力を期待したわけだが、昨今の女性は強く、そんなものではひるまない。私は立ち読みしたし、グルメな女友達は自ら購入していた。

他にも『東京いい店、恋する店』や『誘いたい店』など各社こぞってデート向け飲食店選びの指南本を出している。


どうやら、いつの時代も「デートで女性といい雰囲気になるお店選び」は男性にとって重要な課題らしい。

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対する女性側の意見はまちまちだ。

「当然、好みをリサーチした上で素敵なお店を予約しておいてほしい。それくらいして当然。」

という人もいれば、

「さすがに東方見○録とかだと引くけど、そこまで気合い入りまくったお店じゃなくていい。でも歩き回るのはつらいから予約はしといてほしいな。」

という人、

「予約は別にいい。その時食べたいものとか、気分で探して入る。」

という人。実にバラバラ。

ちなみに
「自ら予約する」という人もいるが、恋愛初期においてこれはあんまりよろしくない気がする。女性が仕切ってしまうのは9割方のケースでよろしくない。

私自身はどうだろう?

恐らく、世の中の女性のなかでは
「男性が素敵なお店を予約してくれていて、お姫様のようにエスコートされたい」願望は強い方では無いと思う。緊張すると食欲も減るので、コース料理しか無いような敷居の高いお店より、アラカルトで気楽に過ごせるお店のほうがいい。

もちろん、好みや苦手なものを聞いて、予約しておいてくれれば心遣いがとてもありがたい。
おしゃれな店を探してくれていれば、それがその男性のキャラじゃなければないほど「一生懸命探してくれたんだな」とキュンとする。
いきなり激安チェーン店やファミリーレストランに入られれば「食に興味がないのかな?」と多少驚く。
店選びにはその人の心遣いと感性が出ると思っているので興味もある。

でも、予約しておいてくれなかったからといって「もう二度と会わない」なんて絶対思わないし、銀座コリドー街、神楽坂や四ッ谷荒木町なんかの風情ある街を歩きながら食べたいものを探すのも一興だ。

ただ、食事は気持ちよくしたい。そしてゆっくり寛ぎたい。なので、どうしてもイヤな店もある。
勘弁してほしい店の特徴を考えてみた。

●新宿歌舞伎町とか渋谷センター街とか、行くだけで神経が消耗するゴチャゴチャした場所はやめてほしい

●お店がうるさすぎて声を張らないと会話できないような店
学生のコンパでも職場の忘年会でもないのだから、静かに落ち着いて話したい。だいたい声を張り上げて話しながら食事する女性の顔はみっともなくなりそうで不安である。

●ごみごみしていて、隣のタバコの煙がこちらまで届くような店
私は嫌煙家ではないが、出来れば食事時にタバコの煙は吸いたくない。
あと隣の人との距離が狭すぎるのも苦手だ。

●清潔感のない店
テーブルがべたべた、グラスが曇ってる、お手洗いが汚い。など、衛生面で気持ちよく過ごせないお店。

恐らくこの4点をクリアしてくれていれば、お店自体にげんなりすることはないと思う。


第一、これは一緒に行くのが男性でも女性でもそうだが、メインディッシュは「あなた」である。(変な意味ではありません。悪しからず。)
美味しいものが食べたいから、ではなく、あなたと話したいから今ここに来ているわけで、お店はあくまでもその舞台セット、額縁である。
額縁やセットがすぐれていれば中身は一層引き立つけれど、それがなければ成り立たないわけではない。
肝心の中身の邪魔をしなければ、それ自体に強いこだわりはない。
要は、優先順位の問題なのだ。


極端な話、どこも満席でちょうどいい店が見つからなかったら、スタバで閉店まで延々おしゃべりしていたい。
そんな他愛もない時間が楽しいし、そんな状況も楽しめるような相性のいい相手に出会えたことが幸せだろう。


味音痴だと困ってしまうが、グルメをしたければカップルになってから一緒に店を探せばいい。「私ここいきたいの!」と雑誌を見せればいい。今はグルメアプリも充実している時代だ、ふたりでRettyにでも登録すればいい。

一足踏み込んだだけで酔えるようなお店で完璧にエスコートしてもらい、お姫様気分を味わうのは、数回お食事を共にする程度の方がお相手の時でいい。その際はメインディッシュは「あなた」でなく肉か魚をいただく。(笑)


人柄に惹かれている場合、重要なのは「あなた」と「何を話すか」だ。




…とはいえ!とはいえ、である。

私も女性なのでやはり
「この人は美味しいお店に連れていきたいな」
「この女性を変な店には連れていきたくないぞ」
と殿方に思っていただけるように、女を磨いておきたいものである。
結婚したので恋愛への発展は望まないが、それとこれとは別問題なのだ。

「あぁ、あの人はべつにどこでもいいよ。赤提灯で。」
では少々寂しい…。いや、赤提灯も美味しい。好きだ。長年の男友達との飲みなら全然OK。
一緒に仕事してて突然「無償に焼き鳥食べたいね!じゃあいく?」みたいなノリなら最高に楽しい。
でも、まだ付き合いの浅い殿方にいきなり連れていかれるとなんとも複雑かもしれない。


多分、日頃の行いと女磨きがモノをいう。
「東京いい店、落ちる店」とでも呼べそうな店に連れていきたい女になるべく頑張ろう。


今日のまとめ。大事なことなのでもう一度。
「どこで」「何を」食べるか、でなく「誰と」「何を話しながら」食べるかだ。









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すっかり梅雨のじめじめが続いていますね。みなさま低気圧に負けずにお過ごしでしょうか。
私はもう主婦あるあるすぎていまさら誰も口にしないような不満、「洗濯物が乾かない」に日々悩まされています。

さて今回は、かつて私が出会った、とある男性について書こうと思います。

彼と出会ったのは、婚活パーティーでした。
そう。私、20代中盤で婚活パーティーに行ったんです。
もちろん合コンなんかにも顔を出していましたが、何事にも「傾向と対策」を重視する私。
数年後にやってくるであろう「ほんとにさっさと結婚したいんだけど!!」の本気婚活の時期のために、数年前からの市場調査&場慣れの必要があるとふみ、友達と二人で(←ここら辺がまだ本気度が足りない)参加しました。

そこで出会ったのが、Tさん。
渋谷で働き渋谷に住む当時35歳。(私より10歳近く上)
身長168㎝、細身、超有名私大卒。

第一印象は「ふかわりょう」だったんですが、なんとなく私を気に入ってくれたようだったし、話した感じもよかったので連絡先を交換しました。

後日、
「金曜日の夜、お食事でもどうですか?何か好みはありますか?」とお誘いがあったので
「中華料理と鍋料理以外なら、おまかせします☆」と丸投げし、当日銀座の待ち合わせ場所へ。

連れて行ってくれたのは、名前は思い出せないのですがクレームブリュレが絶品らしい何やらおしゃれな焼き鳥屋さんでした。
カウンターに並んで座り、ちょこちょこ飲み食いしながら、お互いの話が始まります。
そこで分かったのは、彼が某有名企業の課長補佐なこと、ご両親はいま東京近郊にいらして有名企業勤務の弟さんは婚約中なこと、結婚歴はないこと、小さいころは転勤族で転校ばかりだったこと。
同じように私のことも聞かれます。出身地、親の職業、学歴、職歴、いまの仕事について、などなど。なんだか品定めされている気分でした。
それに、「いや、うちの両親も俺の結婚が遅いの心配してて、『結婚するときにはマンションくらい買ってあげるわよ』って言ってるんだよ~。」とさりげなく結婚メリットアピールまで。
違和感を覚えかけましたが、考えてみればお互いバックグラウンドを全く知らないし、婚活パーティで出会ったのだからこんなもんで普通かなと。

2件めは行きつけらしいバーに移動し、そこで私はひたすら「古田敦也という男の素晴らしさ」について語りまくっていました。たしか「スポーツとか観る?」と聞かれた流れだったと思います。(以前の記事にも書きましたが、高校生からの大ファン) キャッチャーで四番ということのすごさから、苦労人ぶり、選手会長時代の「昼は交渉、夜は試合」のハードスケジュールをやりこなした責任感と意志の強さ、スト決行の決断力、野球バカでないところ、ユーモア、ソフトな関西弁、そのすべてが素晴らしいとカクテル片手に熱弁しまくる若い女を見て、ドン引きするかな~と思いきや、ご満悦の様子。
「いや~、若い子とキャッチャーの素晴らしさを語り合えるとは思わなかったよ」と楽しんでくれたようです。

1度目のデートは、お互いおそらく「悪くはない」程度の感触で終えた感じでした。
彼の「身上調査」もクリアしたようですし。


その後、何度かデートを重ねているうちに、少しずつT氏のことが分かってきました。

まず基本的に、仕事が忙しい。というのも、毎晩夜中の2時にメールが来るんです。
「おつかれさまです。今帰りです。おやすみなさい。」
・・・日報か。
ほんとに自動送信機能なんじゃないかと思うくらい、毎日毎日同じ時刻に来ます。私は「忙しいアピール男」が大嫌いなので、一瞬アレルギーを起こしそうになりましたが、まぁ意図があってのことじゃないかもしれない、と性善説に立つことにし、適当に返信してました。

そして、なかなかのグルメです。といっても、三ツ星レストランとかホテルのメインダイニングに行くようなリッチな感じではなく、「そこまで高くはないんだけど雰囲気が良くて味がしっかりしてる」系のお店に連れて行ってくれるんですね。「お茶を飲む」といってもチェーン系のカフェではなく、えらく凝った渋い内装の喫茶店で、丁寧に淹れたコーヒーとシフォンケーキを食べる、とか。ステーキやら和食やらワインバーやら、美味しいお店に連れて行ってもらいました。

美味しいものが食べられるので、基本的にデートは楽しかったんですが、気になる点がありました。
自慢話が多いのです。それも、なんとも遠回りな。
上にも書きましたが、弟さんが婚約中で、結納にT氏も出席したそう。その後あったとき、
「いや~、相手のお嬢さん、弟よりさらに若いから、俺ひとりなんか浮いてたよ。だって、お嫁さんからしたら、就活の面接官みたいなもんじゃん?三次面接くらい。」

「へ・・・?」

私は外資系企業→研究機関勤務だったので、日系民間企業の課長補佐がどれほどの立場なのか正確にははかりかねますが、「3次面接」は盛り過ぎだろうと。3次面接でやっとこさ課長補佐だったら、いったい御社で内定とるまでに何回面接受ければいいんや!?と。

コメントにこまって、笑ってスルーしました。

いや、本来なら最初に私が「課長補佐」と言われたときに「すごーい!」と言っとけばよかったんでしょうし、結納の話をされた時も「Tさんが出てきたんじゃ、3次面接くらいですね☆」とかかわいく言えばよかったんでしょうが、ピンとこないし、私は本当に「すごい」と思ったときしか「すごい」と言えないのです。

しかもT氏は、本来相手の女性が言うところまで自分で言ってしまうので、コメントする余地が無い。

たとえば冬のボーナスの時期には、
「俺の部下がさ、残業代バンバンつくもんだからボーナス入れたら1000万とかいっちゃって!」
「えっ、それはすごいですね。」
「俺さ~、管理職になったから逆に年収下がっちゃって、」
(ここで終わってくれれば「それって管理職のつらさですよね。1年お疲れ様です!」とか言えるのに、)
「まぁ、900くらいかな」とよどみなく続く。

そうですか。やはり一言多い。


またあるときはお友達の結婚式の司会を頼まれたそうで、
「素敵ですね!それははりきらないと~!」と話していたら、
「うん。嬉しいよね。だってさ、結婚式の司会って、本当にしっかりしてて信頼できる奴にしか頼まないじゃん?そういう意味でも、俺は評価されてるんだなって思って。」

・・・いやだから、最後の一文はあなたが言うことじゃないから。

しまいには、就職活動の話になったとき、
「リクルーター制度ってあるじゃん?あれって、いい新人連れてくると、その人の人事評価があがるんだって。」
(お願い、そこでやめて!なんなら私がお望みどおりの返しをしてあげるから・・・!) という私の願いもむなしく
「だからさー、おれ本当いろんな先輩から声かかって大変だったよ。」

完全にしゃべり過ぎです。



ここまで書くと、ほんとに嫌味な男のようですが、おそらく根は悪い人ではありません。
なんというか、女性への自己アピールが下手なのと、私に微妙に虚勢をはってたのかなと思います。
広い視野で見ればきわめてつまらないことですが、T氏と私の卒業した大学とでは、私のほうが偏差値が高いのです。T氏はすごく自分の学歴に誇りを持っていて、経済界で抜群の結束力をもつというOB会にもこまめに顔をだし、おそらく社内でも学閥で順調に出世した部分もあるのでしょう。普通ならそれを告げた時点で「すごーい!」となってくるはずの女性がそうでもない。だから、あの手この手のしゃべりすぎアピールに出たのだろう、と私は踏んでいます。

言わずもがな、結局私はT氏と交際することはありませんでした。でもそれは彼が「しゃべりすぎる男」だったからではありません。
実際、T氏は35まで独身なのが不思議なほどの優良物件でした。容姿も悪くない、会話力もそこそこ、経済力も普通以上、家庭も問題なし、高学歴、浪費癖もない、と婚活市場では受けのよさそうな条件がそろっています。

ではなぜ独身なのか?単に出会いが無かったとか、タイミングが合わなかったとか、いろいろ考えられますが、
私自身がT氏と接していて思ったのは、彼が心から「パートナーが欲しい」と思っていないのです。
もちろん、婚活パーティーにくるくらいですから、彼女を作る意欲も結婚の意志もあります。女性に興味が無いわけでもありません。でも、自浄作用が強すぎて、一人の世界で完結している。他人との深い関わりを必要としていないのです。
人は、自分一人では処理しきれない感情のほころびや心の隙間があるときこそ、「誰かに聞いてほしい」「誰かそばにいてほしい」と強く思うものです。(行き過ぎると依存心になりますが。)おそらく、彼にはそういう瞬間が無い。だから心の底から強く強く「誰かを欲する」という感情がわきにくいのだと思います。(自浄作用があること自体は良いことなので、メリットとデメリットが表裏一体というか、難しい点です。)
それともしかしたらこれはT氏が転校生生活を送っていたせいかもしれませんが、表面上は社交的で馴染み上手なのに、心を開かないのです。一歩踏み込もうとか近づこうとしても、とっかかりがない。

精神的に欲されていないことも、心の中に踏み込めないことも、相手には伝わります。私は、この人とは魂のやり取りはできないなと思いました。
T氏にとって結婚とは、社会的信頼のために必要だけど自分にかけている要素、であり、妻は「自分にふさわしく、子供をきちんと育ててくれる人」のようでした。価値観が一致していればそれもありでしょう。
でも私は、私を「妻業を果たせる人」や「あればよりいいけど無くても平気」な存在ではなく、「人生支えあって歩みたいかけがえのない相手」として求めてくれる人と結婚したかったのです。


T氏本人にも表現をマイルドにしてお伝えしたところ、
「うん、そうだと思う。」と納得してくれました。
そこでお付き合いする前に、お別れしたわけです。


さんざんなことを書きましたが、T氏にはいろいろと勉強させてもらいました。美味しいお店、バーで飲む楽しさ、はしご酒。(T氏のホームグラウンドだった)渋谷と言えば109とマルイと居酒屋しか知らなかった学生に毛の生えた程度の私に、大人の楽しみ方を教えてくれました。
また、転職したてでようやく慣れてきたかな~くらいだった私にとって、10歳近く上で「育てる」経験もある男性管理職から聞く仕事の話は新鮮で、勉強にもなりました。私の仕事についてアドバイスをもらったこともあります。
プライドを持って働いている人からは、学ぶことが多いものです。…午前二時の定例メールは辟易しましたが(苦笑)


そんなTさん、いまはもう連絡もとっていないのでどうしているのか分かりませんが、
渋谷で相変わらず二時まで働き、
渋谷で相変わらず呑み遊んで、
元気にしていてほしいなと思っています。




それでは、今日はこの辺で。




 

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