アラサーライター吉原由梨の 「ようやく大人 まだまだ女」

フリーライター/コラムニスト、吉原由梨のブログです。 Webサイトを中心に執筆しています。 都内の大学法学部卒業後、 ITメーカーOL→ 研究機関秘書職→ 専業主婦→ フリーライター兼主婦 日々感じること、ふとしたことからの気づきを綴っています。恋愛と結婚を含む男女のパートナーシップ、人間関係、心身の健康、家庭と仕事、グルメや読書の話など。美味しいもの、マッサージ、ふなっしー大好き。 Twitter:@yuriyoshihara こちらもお気軽に。

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大学受験

仕事やバレンタインでバタバタしていたら、気がつけば国立大学2次試験まであと数日!

うわー受験生、いま最後の頑張り時だな。
てか私立はもう合格発表出てるとこもあるよね。

と、自分の時を思い出しながらいろいろ考えていた。

受験生に何か言えるとしたら、
「最後の最後まで気持ちの糸を緩めないで。」
これに尽きると思う。

実力不足でダメだったなら、まぁ仕方ない。
でも気持ちの糸が緩んで詰めが甘くなるのは、後から振り返ってどうだろう?
「あのとき本気出してなかっただけだし」みたいなカッコ悪い言い訳にしかならないんじゃないかと思う。


こんな風に思うのは、ほかでもない私自身が、2次試験前に気持ちの糸を緩めてしまいそうになったからだ。
いや、緩めてしまいそう、じゃないな、緩めました。

あ、もし今これを受験生が読んでたら、勉強に戻ってください。受験を乗り切る秘訣みたいなことは書いてありません。多分。


●第二志望、第三志望に合格してちょっと舞いあがった2月上旬


国立の受験勉強で手一杯だった私は、私立は全部センター利用受験にした。
1校は、センター試験+内申+面接
1校は、センター試験+小論文

どっちも東京の大学だったので、面接試験と小論文試験のために上京した。
面接試験で、昨年安保問題で活躍されていた憲法学者の先生にあたって、「法とは何か」みたいな問答で詰められ、山場を越えたあたりで号泣するという苦い思い出もできたけれど、今となっては笑い話だ。
(先生も泣いている私を前に、「こんな若い娘泣かせるなんて、よっぽどいい男か悪い男かどっちかだなぁ!」と笑ってらしたw)

そんなことがありつつも2校とも合格でき、面接で号泣した方の大学に入学金を入れてもらったので、ひとまず春からの進路が確保できた。

やった……。春から大学生決定だ!東京だ!

と思ったら、気が抜けた。
というより、ちょっと浮かれた。
まだ本命の国立2次がまってるのに。


浮かれ感は、思春期の女の子らしい形であらわれた。
同じ塾で仲良しだった他校の男子と、なんだか良い感じになってしまったのだ。
彼は第一志望の私立大学に合格を決めて、心から晴れ晴れしていた。うん、彼が舞い上がるのはしょうがない。
でも私は本命が残ってる。

それなのに、
自習室を抜け出して河原でくっついておやつを食べたり、えんえんと東京ライフについて語ったり、微妙な「友達以上だけど名前のつかない関係」のドキドキ感に浮かれていた。

当然、勉強はテキトーになる。


●気合いを入れ直すキッカケになった、ある先生のひとこと

そんな状態の頃、それでもひとかけらは理性が残っていて、学校に勉強しに行った。
登校の義務はもう無かったのだけど、先生にいろいろ添削してもらえるし、質問もできるし、何より空き教室で静かに勉強するのが好きだった。

数日ぶりの構内を歩いていると、もう定年退職して用務員に転身した先生にバッタリあった。

「吉原さん、○○大と○○大、受かったんだってね」
「はい」
「いくの?」
「えーっと、○○大に入学金入れました」
「そう……。でも、勿体無いよ。

……浮ついていた頭をガツーンと殴られた気がした。

勿体無い。
この一言には物凄いパワーがあった。
そっか、そんなに買ってくれてるのか。

その言葉を噛み締めてるうちに、いろいろな思いが湧いてきた。
「私がこの一年の受験勉強の間、目指してたところはどこ?」
「この数週間の手抜きで本命に落ちたら、一生後悔するよね」
「勿体無い、って言ってもらえるほどの実力があるか分からないけど、あると信じてもっと上を目指そう」
そして1番私を強く突き動かしたモチベーションが、これ。
「模試で合格圏内にいたのに落ちたら、『吉原は私立に受かって気が抜けて落ちた』って職員室中で言われる。それは死んでも嫌だ。」

なんてヨコシマな……!醜い……!

でもいいのだ、それで気合が入り直るなら。


その後、良い感じになった彼と話し合った。
「なんかさ、うちらさ、浮かれてたよね」
「うん、浮かれてた。お前、こんなことしてる場合じゃねーよ。とりあえず絶対受かれ、国立!」
「うん、私、いくよ」

乙女心にフタ、完了。


最後は意地

それからの数週間は、実はあまり鮮明には覚えていない。
淡々と学校にいって、先生や友達と青本やったり、苦手分野の最終確認したりしてたんだと思う。
とにかく、第二志望校に受かったせいで本命に落ちたとは言われたくない一心で粘っていた気がする。歪んでるけど、受験勉強も終盤になるとモチベーションを保つのが一苦労だ。もはや気合入るならなんでもよかった。


2次試験当日は吐いたりなんだりパプニングもあったけど、なんとか乗り切った。

合格発表当日も、後期試験のために学校に勉強しにいった。家で郵便待ってるのも落ち着かないし……。
午後、帰りの駅から自宅マンションに向かって歩いてたら、なんかマンションの方向から叫んでる声が聞こえた。
「???」
と思ってそっちを見ると、

うちの母が叫んでた。「ゆーり〜〜!」
なんか手にピラピラ白いの持ってる。

通ったんだ!!!(でもお母さん、先にあけて落ちてたらどうするつもりだったの?)
ダッシュで帰って合格通知を隅から隅まで読んで、合格を確認して、喜びながらちょっと泣いた。



地方の平凡な女子高校生の受験物語。

傍目には淡々と勉強してスルッと合格したように見えたかもしれないけど、
本人の中では、気の緩みとか浮つきとか怠け心とか、そういうものとの闘いだった。

最後の最後、大事なところで浮ついた私を引き戻してくれた先生の言葉には、今でも感謝している。

適度な緊張感とモチベーションの維持。受験に限らず、長いスパンで頑張らなきゃいけないことを抱えているときは、いつもそれが課題になる。
人間(私だけ?)、最後の最後で気が緩みそうになるけど、結果はどうあれ後悔しないためには、“詰め”が肝心だ。
モチベーションの中身は、ヨコシマでもいいと思う。

あと、適度な休養も忘れずに。

がんばれ受験生!




東大が推薦入試を導入するそうです。


なんとまぁ…!!驚嘆!


それだけは絶対無いだろうと踏んでいましたが、これも時代の波なのでしょうか。

私には迷走しているようにしか思えません。


そもそも推薦入試自体、たいていは学生本来の学力・偏差値よりもいくらかランクが上の大学に入りやすい仕組みです。
それは制度本来の趣旨ではないのでしょうが、自分自身の学生時代の記憶を掘り起こしてみても、推薦入試ははっきりいって、結果的に受験生に「お得」な制度になっているのが現状です。

だからといって、私は推薦入試制度自体に否定的な訳ではありません。


⚫私立大学の場合⚫

私立大学はそれぞれに独自の校風があり、それに馴染む学生がほしかったり、逆に多様性を重視しているため入試の形式を多く設けてバラエティーに富んだ学生を求めたりと、その運営方針はまちまちです。そこも含めてその大学の校風で、他との差別化につながるのでしょう。

また現実問題、大学経営もビジネスですから、少しでも早い時期に「お客さま」を確保しておきたいのは当然の欲求です。(推薦入試はたいてい秋に行われます)

こうして大学側のニーズと、ガリガリ受験勉強せずに早く進路を決めたい受験生のニーズが合致するわけです。


⚫東大は国立大学⚫

一方で、東大は法人化されたとはいえ国の教育機関です。
そして最高学府です。

東大が推薦入試を導入するというニュースをみて、まず「何がしたいんだろう?」と思いました。

考えてもみてください、
東大が最高学府であるということは、現行の一般入試制度で入ってくるのは、雑な言い方をすれば日本でもっとも優秀だろうと推測される学生たちです。(もちろん、自分の意思や家庭の事情で地元の大学に進む優秀な学生さんもいますが、いまは一般入試と推薦入試との比較ですので、そこには言及しません。)

東大は、推薦入試制度で、いったいどんな学生がとりたいんでしょうか?よっぽどこれまでとは違う学生がほしいのでしょうか?
要項を読めば「国際感覚」や「理解力」などあちこちでよく見かける単語が頻発していました。

・推薦入試合格に必要とされるセンター試験の得点の目安は900点中720点。これは、一般的には高得点ですが、東大を一般入試で受ける学生であれば平均的な点数です。
そもそも東大はセンター試験の点数をあまり重視しておらず、二次試験の倍率を3倍にするためのいわゆる足切りの際と、圧縮した点数を二次試験の点数に加えて総合判断をする際に使用する程度です。
なぜならセンター試験は、東大に合格するレベルの受験生にとっては“標準的”すぎるレベルで差がつきにくいのです。
また、二次試験の準備に必要とされる勉強とはレベルも量も次元が違いすぎます。



学科試験はそんな“標準的”なレベルしか課さず、あとは語学力や、これまでの執筆論文、留学経験、社会奉仕経験などを参考にし、試験会場での論文やディスカッション、面接で判断するとなっています。(法学部の場合)

・また、高校での成績は「各校上位5%以内」が目安とされています。一学年300人として15位以内…よほどの有名進学校でなければ、東大を目指す学生の順位としては緩いくらいでしょう。


結局、どんな学生がとりたいのか!?正直あまり見えてきません。
仮に大学関係者に
「一般入試で受けて合格するほどの学力はないけど、その他の面で秀でたところがある学生をとりたいのでしょうか?
それじゃ結局「お得な」入試制度になって、学生の学力は担保されないのでは?
最高学府が、学力を妥協してどうするんですか?」
という疑問をぶつけたら、

大学は「いやそんなことはない、合格者は学力的にも一般入試の学生と変わらないレベルで、さらに個性も持ってるんだ!」と主張するかもしれません。


しかしそんな人はわざわざ推薦入試なぞ受けなくても、一般入試で合格します。

つまり、東大の推薦入試で予想される合格者は、
1・一般入試でも受かったであろうけど、時期もはやいし保険のつもりでうけたら合格した人
2・一般入試じゃ受かりっこなくて、せいぜいセンター対策やって、あとは課外活動にせいを出していた人


1なら現行制度のままでいいし、
2なら学生の学力の質が下がります。


東大が
「これからはダイバーシティの時代だー!」
と声高に掲げるならそれも良いでしょう。

しかしそんなことよりも、法人化したとはいえ由緒ある国立大学の代表として、本質を大切にしてほしいのです。大学入試は就職試験とは違うのですから。

どんな人も公平に、バックグラウンド関係なく、鉛筆一本で、己の学力のみで一発勝負のふるいにかけられる、という方針を貫いた方がよほど筋が通っているのではないでしょうか。

また最高学府として、第一に求めるのは「学力」であるという凛とした姿勢を保つべきです。


いまひとつ、腑に落ちる「哲学」を感じさせてくれない制度改編。
推薦入試制度が「肩書きを手に入れるお得な抜け道」化されないよう、くれぐれも厳格な実施をお願いしたい。

最高学府の威厳と格式を決して損なわないでください。


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