東京ではこのところ、夏を思い出させるような陽気が続いています。 

せっかくの晴天の休日、どこかへ出かけようということで芸術の秋を気取って東郷青児美術館へ。
『最後の印象派』展が開催中です。
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前衛的な現代アートは、凡人の私には少々難解で「???」となってしまうので、やはり分かりやすくて色彩の美しい作品に心惹かれます。
印象派の何たるかもきちんと知らないのですが、マネ・モネ・セザンヌなどの作風から、美しいパステル画や油彩画が多いことを期待して足を運びました。

◇◇◇まずは天然の風景画を◇◇◇◇


こちらの東郷青児美術館は西新宿のオフィスビルの高層階にあるため、眺めが最高です。
本日は快晴。
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写真にはおさまっていないのですが右手に東京タワー、左手にスカイツリーが見え(こちらは映っています)、地平線も水平線もくっきり見えました。
絵画鑑賞の前に展望台にきた気分でいつもの街を遠くまで見張らすのも良いものです。

まずはここで心をほぐし、いざ展示会場へ。


◇◇◇「解っていない」者の鑑賞の醍醐味◇◇◇◇


私は絵心などまるでなく、美術史も絵画の技法も全く知りません。
画家の名前でさえ超有名どころしか知らないため
なんの蘊蓄も語れませんが、絵画を鑑賞することは大好きです。
(といってもそれも20代後半くらいからですが。)

美しい絵画を眺めていると、なんとも説明のし難い快感が頭から体のすみずみまで駆けめぐるのです。特に目に飛び込んできた瞬間息をのむくらい自分の感性にぴったりとはまる作品を目の前にすると、ほーっと静かに息を吐きながら、寄りで見て引きで見て、延々と眺めて、その作品が発する空気を全身で堪能する。至福の時間です。

このリラックス感と幸福感、快感の正体は何だろうとふと考えたとき、おそらくそれは「言葉を失う快感」もっと言えば「言語から解放される快感」ではないかと思います。


私たち人間は、日々あれやこれやと考え悩み判断しながら生きています。そしてその営みのほとんどは言葉によってなされます。口に出したり書き出したりせずとも、脳内には言葉が溢れています。

先ほど「目に飛び込んできた瞬間息をのむような」と書きましたが、まさしくその瞬間私の頭の中の通常の言語回路はストップし、真っ白になるのでしょう。そしてその「言語から解放される」一瞬が、私の脳と心と体をリラックスさせてくれる気がします。
つまらない人間関係の悩み、仕事のこと、家族のこと、あらゆる日常の煩悶からふっと自由になれる。


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