高校時代からの友人が、新卒で就職した企業を退職しました。日本を代表する航空会社の1つで、CAをしていた彼女。
結婚し、第一子を妊娠して産休&育休、その間に第二子を妊娠したので再度産休&育休。育児をしながら、今後の仕事をどうしたもんかとずっと考えていたそう。
1年くらい前だったか久しぶりに会ったとき、
「やめるか続けるか迷ってるんだよねぇ」
と言うので
「んー、旦那さんの収入で十分やってけるだろうけど、せっかくだから一旦復帰してみたら?職種的に時短は無理にしても、なんか復帰後の制度ないの?」
と聞いたところ、驚きの答えが。
「ない。国内線か国際線かの希望すら出せない

えっ!?
いやいや、子育てしながら国際線って……鬼?

だって、CAさんって泊まり勤務がどうしても発生しますよね。国内線ならせいぜい一泊だから、旦那さんがその日だけ早く帰るとか、帰れるまでシッターさんを頼むとか、まぁやってやれないこともない気がする。
でも国際線だと……。下手したら4〜5日帰れない。もうそれって、旦那さんが専業主夫か、絶対6時に帰れるか、3世代同居でもしてない限りまず無理だと思うんです。
友人は夫婦とも実家が遠方だし、旦那さんも忙しい。

「グランドホステスに社内異動って言う道はないの?」
「うん、採用のラインがもう全然別だから、それも無理なの」

結局、彼女は退職を決めました。

専業主婦になって子供といっぱい一緒にいられる生活も幸せだと思う。でも、そこに彼女が選択する余地はなかった。
厳しい採用試験をパスして、訓練うけてやっと1人前になったのに、家庭人としての役割を全うしようとすると辞めざるを得ないシステムなんだなぁと、なんとも言えない気持ちになりました。しかも零細企業じゃなくて、名だたる大企業で。

会社のシステムの壁、預け先の不足、周囲の無理解、ママの復帰を阻むものは沢山ある。
政府も、企業も、男性も、本気で女性に「産め、そして働け」というなら、根本から意識・制度改革してくれないとこりゃ無理だよ……と身近なところでしみじみ感じた今日この頃です。