たん−りょく【胆力】=事にあたって、恐れたり、尻ごみしたりしない精神力。ものに動じない気力。きもったま。
goo辞書より

私にはこの胆力が致命的に足りてない。

数年前、体調不良に悩んで駆け込んだ漢方外来で処方された薬は「チクジョウンタントウ」
ウンタンは「温胆」と書き、つまりは胆を温める薬。
白髪の医師に、「肝っ玉を強くする薬です」と解説された。

お薬サイトなどでこの薬を調べると、「風邪が長引いて体力が低下し、ウンチャラカンチャラ〜」と説明があるのだが、東洋医学の考え方は独特で症状にアタックするというよりその裏にある根本的な体質や弱った部分にアプローチするので、「長引く風邪」の薬が同時に「肝っ玉を強くする」薬でもありうる。
漢方は昔から馴染みがあるのと、一時期ハマって本を読んでたこともあったので、ほんのちょっとだけ詳しい。他にも、乗り物酔いの薬が下痢の薬と一緒だったり、頭痛薬と胃薬が一緒だったりする。

話が脇道にそれたが、胆力。
心配性で、ピンチに弱くて、緊張しいで、ショックを受けると体調が悪くなるくらい引きずる。
つまりは肝がすわっていない。
常に最悪の事態を想定して動くので、裏を返せば危機管理能力に長けているといわれるけれど、この性格はとにかく疲れる。
高校時代、放送部で朗読に没頭して司会の楽しさにガッツリはまった私が就職先としてテレビ局を選ばなかったのは、容姿がそのレベルにとても達していないという自覚に加えて、この性格のせいだ。
あんな毎日が度胸試しみたいな仕事、私には絶対出来ない。


若いお嬢さんなら、そんな繊細で弱々しい気質も可愛らしい。でも、もうそんな年じゃない。大人として生きていくには「肝っ玉」が必要だ。
もっとこう、おおらかに、何事にも動じず、どーんと構えていたい。

いま肝っ玉を鍛えるべく、いろいろ挑戦中である。

体幹を鍛える

瞑想する

認知の歪みを意識的に自覚して、発想の転換をしてみる etc.

スーパーの鮮魚売り場で「アン肝食べれば肝っ玉に効くかな……」と結構本気で検討している風な主婦がいたら、それは私だ。
(東洋医学では、弱っている部分と同じ部位を食べれば効くという古い一説もあるらしく、胃が悪かった頃はセンマイ=胃袋を意識して食べていたことも。真偽の程は不明。)



変化を恐れず、しなやかに生きたい。